日本は世界有数の長寿国ですが、国民の大半は腰痛や頭痛など何らかの痛みを抱えて生活しています。患者さんが医療機関を受診する動機の約半数が身体の痛みです。本来痛みは、身体に生じた異常事態を知らせる警告信号(火災報知器みたいなもの)として重要な役割を果たしています。たいていの痛みは、原因となる病態の改善により消失しますが、警告信号の役割を終えた痛みが長引いたり、警告信号の役割をしない痛みが存在し、我々を苦しめることがわかってきました。このような痛みは壊れて鳴り止まない火災報知器のようなもので、うるさいだけで生体には何の意味も持ちません。適切な治療を受けず、このような痛みが持続すると、心身ともに疲弊し、生活の質を著しく低下させることになります。ペインクリニックで行われる神経ブロック治療は、痛みを積極的に遮断することにより、壊れた火災報知器にリセットをかけ正常化し、痛みを和らげてゆく効果があります。 ペインクリニックでは、個々の症状や身体所見から多角的に痛みの原因や状態を診断し、神経ブロックや薬物療法を中心に、各種の治療法を駆使して痛みを軽減消失させてゆきます。痛みを治療することにより、生活の質を向上させ、笑顔を取り戻すお手伝いをしてゆきます。